巷では以前から品質などの管理がしやすい格安な既製品が流行る一方で、料金は高額でも自分に合わせて作ってもらうことが可能なセミオーダーやオーダーメイドの商品も持てはやされています。
そしてオーダーメイドの商品は、身の回りの衣類やアクセサリーの類に限らず、ありとあらゆる種類を凌駕しているといっても過言ではありません。
もちろん住宅設備も例外ではなく、オーダーキッチンなどは多くの主婦の憧れなのではないでしょうか。
母から「オーダーキッチンにするよ!」という連絡がきた
私が実家から独立した当初は、メールや電話でこまめに連絡をくれていた母も、最近は私の忙しさを理解してくれているのか滅多に連絡が来なくなっていました。
ところが、ある日メールをチェックしていると、顔文字まで使った大仰な連絡が母から入っていたのです。
なんと、実家も段々に建物自体が古くなってきたので、とうとう大々的なリフォームをおこなうような時期になったということのようです。
それだけなら一般的なことだったのでしょうが、母が嬉しげに連絡をしてきたのにはわけがありました。
母の念願であるキッチンの大改造がおこなわれることになり、しかもそれがオーダーキッチンだというのです。
実際、実家はもともと注文住宅ではなかったので、キッチンなども主婦である母の意見が反映されているとはいい難いものがあり、それが母には大いに不満だったということなのでしょう。
だからこそ、感動の嵐の渦中にいる母は、私にまでその感動のおすそ分けをしてくれたということだと思います。
実家に帰省したときにでも褒めてあげよう
ともかく、これから実家をリフォームし、使い勝手の良いオーダーキッチンにすることで母の身内に起こった感動は、私にも十分に伝わってきました。
そこで、思わずこちらから電話をしたところ、母は興奮しているだけではなく、いつになく饒舌でリフォームとオーダーキッチンのことばかり何度も繰り返して話しました。
今までは何の変哲もない普通のキッチンだったけれど、これからは作り付けの食器棚まであるのだとか、冷蔵庫も電子レンジも嵌め込まれているのでスッキリしているのだとかいっていました。
また、色合いがどうとか、人工大理石がどうとか、私が聞いてもさっぱりわからないような内容を立て板に水と話すのです。
母は元来料理が上手で、美味しいものを現在のキッチンでもたくさん作ってくれていました。
そして、これからはリフォームした母の好みに合わせて作り上げたオーダーキッチンで、より美味しいごちそうを作ってくれることでしょう。
今度帰省したときには、母の料理とともにオーダーキッチンもたくさん褒めようと思っています。